昭和のホームドラマを観てきたのだから、親の墓参りやもろもろのことが大事だとはわかっているのだけれど、具体的な手順みたいなものを年上の方に教わる機会がなかったのと、親戚連中が遠く離れていて行き来がほとんどないことから、親のことが後回し、事実上、必要最低限の手続きはもちろん行ったけれど、それ以降のことは、放置になっている気がしている。昭和のホームドラマに比べれば。
その思いが、頭の片隅の無意識の中に変わらず残っていて、ときどきぼくの心のドアをたたく。早くなんとかしなくていいのかと。
最初の頃は週末の午前中に済ませていた墓参りも、ここのところ日曜の夕方日暮れ直前になってしまっている。子供に迷惑はかけたくないと言っていたけれど、やっぱり、いまのままでは親不孝だよなーと思う。
雨風のやまない中、今日はこれが最後だろうというチャンスに車を出した
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一年ぐらい前にばね指で初めて通院した整形外科に、昨日出かけた。前回は初回で、すでに左手の中指がカクカク動くようになって仕事や音楽に支障があったと思う。若い医師は、看護師に注射をぼくに一本打つよう指示をした。すると指示された看護師は、びっくりすることを言った。
「ばね注いっぽーん!」
その言い方は、居酒屋の女子店員が「生チューいっぱーい!」と叫ぶのを思い起こさせた。
昨日は、別の医師で、彼はぼくに、注射は打たず、炎症をやわらげる塗り薬)処方すること、飲み薬の処方はないこと、後日受けるリハビリの予約をして帰ることを指示した。
長年気にしていた左手の小指横の痺れも、指先からひじのあたりまでのレントゲンを撮って確認してもらったことで、左手の骨に異常がないことがわかった。ほっとした。
古くなった自分の体を適宜メンテしながら少しでも長く自分の好きやことをやりながら生きてゆきたい。腱にある鞘炎を押さえる塗り薬と、ドラックストアで買った肘用(といっても腕用に使えるほど長い)を使い始めた。
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そんなことを墓の前で報告して車を出した。寺の敷地を出る直前、進行方向に虹が出ているのが見えた。両親にわかってもらえたような…また、自分に都合のいい理解をして虹の写真を撮り、運転席のドアを開けた。天気雨にはなっていなかったけれど、ポツポツとは降っていた。
そのポツポツ、ポツポツと、やっておきたいことを少しずつやっていこう。
6月30日(日)
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